小倉百人一首フェスティバル 2020 in Tokyo 特設ページ
百人一首の世界

和歌を通して王朝文化の輝きを追い求めた
藤原定家の撰による小倉百人一首

秀歌の背景を探訪することで
古の歌人たちが詞と韻律に込めた
心模様が鮮やかに浮かび上がる

歌番号順

秋の田のかりほの庵の苫をあらみ我が衣手は露にぬれつつ 001

001

秋の田のかりほの庵の苫をあらみ
我が衣手は露にぬれつつ

天智天皇

春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山 002

002

春過ぎて夏来にけらし白妙の
衣干すてふ天の香具山

持統天皇

あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む 003

003

あしびきの山鳥の尾のしだり尾の
ながながし夜をひとりかも寝む

柿本人麻呂

田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ 004

004

田子の浦にうち出でて見れば白妙の
富士の高嶺に雪は降りつつ

山部赤人

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋はかなしき 005

005

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の
声聞くときぞ秋はかなしき

猿丸大夫

かささぎの渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞふけにける 006

006

かささぎの渡せる橋に置く霜の
白きを見れば夜ぞふけにける

中納言家持

天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも 007

007

天の原ふりさけ見れば春日なる
三笠の山に出でし月かも

安倍仲麻呂

我がいほは都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり 008

008

我がいほは都のたつみしかぞ住む
世をうぢ山と人はいふなり

喜撰法師

花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに 009

009

花の色は移りにけりないたづらに
我が身世にふるながめせしまに

小野小町

これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関 010

010

これやこの行くも帰るも別れては
知るも知らぬも逢坂の関

蝉丸

わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと人には告げよ海人の釣舟 011

011

わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと
人には告げよ海人の釣舟

参議篁

天つ風雲のかよひぢ吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ 012

012

天つ風雲のかよひぢ吹きとぢよ
をとめの姿しばしとどめむ

僧正遍昭

筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞつもりて淵となりぬる 013

013

筑波嶺の峰より落つるみなの川
恋ぞつもりて淵となりぬる

陽成院

みちのくのしのぶもぢずりたれゆゑに乱れそめにし我ならなくに 014

014

みちのくのしのぶもぢずりたれゆゑに
乱れそめにし我ならなくに

河原左大臣

君がため春の野に出でて若菜つむ我が衣手に雪は降りつつ 015

015

君がため春の野に出でて若菜つむ
我が衣手に雪は降りつつ

光孝天皇

たち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かばいま帰りこむ 016

016

たち別れいなばの山の峰に生ふる
まつとし聞かばいま帰りこむ

中納言行平

ちはやぶる神代も聞かず龍田川からくれなゐに水くくるとは 017

017

ちはやぶる神代も聞かず龍田川
からくれなゐに水くくるとは

在原業平朝臣

住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ 018

018

住の江の岸による波よるさへや
夢の通ひ路人目よくらむ

藤原敏行朝臣

難波潟みじかき葦のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや 019

019

難波潟みじかき葦のふしの間も
逢はでこの世を過ぐしてよとや

伊勢

わびぬれば今はた同じ難波なる身をつくしても逢はむとぞ思ふ 020

020

わびぬれば今はた同じ難波なる
身をつくしても逢はむとぞ思ふ

元良親王

今来むといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな 021

021

今来むといひしばかりに長月の
有明の月を待ち出でつるかな

素性法師

吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ 022

022

吹くからに秋の草木のしをるれば
むべ山風をあらしといふらむ

文屋康秀

月見れば千々にものこそかなしけれ我が身ひとつの秋にはあらねど 023

023

月見れば千々にものこそかなしけれ
我が身ひとつの秋にはあらねど

大江千里

このたびは幣もとりあへず手向山もみぢの錦神のまにまに 024

024

このたびは幣もとりあへず手向山
もみぢの錦神のまにまに

菅家

なにしおはば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな 025

025

なにしおはば逢坂山のさねかづら
人に知られでくるよしもがな

三条右大臣

小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ 026

026

小倉山峰のもみぢ葉心あらば
今ひとたびのみゆき待たなむ

貞信公

みかの原わきて流るるいづみ川いつみきとてか恋しかるらむ 027

027

みかの原わきて流るるいづみ川
いつみきとてか恋しかるらむ

中納言兼輔

山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば 028

028

山里は冬ぞさびしさまさりける
人目も草もかれぬと思へば

源宗于朝臣

心あてに折らばや折らむ初霜のおきまどはせる白菊の花 029

029

心あてに折らばや折らむ初霜の
おきまどはせる白菊の花

凡河内躬恒

有明のつれなく見えし別れよりあかつきばかり憂きものはなし 030

030

有明のつれなく見えし別れより
あかつきばかり憂きものはなし

壬生忠岑

朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪 031

031

朝ぼらけ有明の月と見るまでに
吉野の里に降れる白雪

坂上是則

山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬもみぢなりけり 032

032

山川に風のかけたるしがらみは
流れもあへぬもみぢなりけり

春道列樹

ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ 033

033

ひさかたの光のどけき春の日に
しづ心なく花の散るらむ

紀友則

誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに 034

034

誰をかも知る人にせむ高砂の
松も昔の友ならなくに

藤原興風

人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける 035

035

人はいさ心も知らずふるさとは
花ぞ昔の香ににほひける

紀貫之

夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ 036

036

夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを
雲のいづこに月宿るらむ

清原深養父

白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける 037

037

白露に風の吹きしく秋の野は
つらぬきとめぬ玉ぞ散りける

文屋朝康

忘らるる身をば思はずちかひてし人の命の惜しくもあるかな 038

038

忘らるる身をば思はずちかひてし
人の命の惜しくもあるかな

右近

浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき 039

039

浅茅生の小野の篠原しのぶれど
あまりてなどか人の恋しき

参議等

しのぶれど色に出でにけり我が恋は物や思ふと人のとふまで 040

040

しのぶれど色に出でにけり我が恋は
物や思ふと人のとふまで

平兼盛

恋すてふ我が名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか 041

041

恋すてふ我が名はまだき立ちにけり
人知れずこそ思ひそめしか

壬生忠見

契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは 042

042

契りきなかたみに袖をしぼりつつ
末の松山波越さじとは

清原元輔

あひみての後の心にくらぶれば昔は物を思はざりけり 043

043

あひみての後の心にくらぶれば
昔は物を思はざりけり

中納言敦忠

逢ふことのたえてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし 044

044

逢ふことのたえてしなくはなかなかに
人をも身をも恨みざらまし

中納言朝忠

あはれともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな 045

045

あはれともいふべき人は思ほえで
身のいたづらになりぬべきかな

謙徳公

由良のとを渡る舟人梶を絶え行方も知らぬ恋の道かな 046

046

由良のとを渡る舟人梶を絶え
行方も知らぬ恋の道かな

曾禰好忠

八重葎しげれる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり 047

047

八重葎しげれる宿のさびしきに
人こそ見えね秋は来にけり

恵慶法師

風をいたみ岩うつ波のおのれのみ砕けて物を思ふころかな 048

048

風をいたみ岩うつ波のおのれのみ
砕けて物を思ふころかな

源重之

みかきもり衛士のたく火の夜はもえ昼は消えつつ物をこそ思へ 049

049

みかきもり衛士のたく火の夜はもえ
昼は消えつつ物をこそ思へ

大中臣能宣朝臣

君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな 050

050

君がため惜しからざりし命さへ
長くもがなと思ひけるかな

藤原義孝

かくとだにえやはいぶきのさしも草さしもしらじなもゆる思ひを 051

051

かくとだにえやはいぶきのさしも草
さしもしらじなもゆる思ひを

藤原実方朝臣

明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな 052

052

明けぬれば暮るるものとは知りながら
なほ恨めしき朝ぼらけかな

藤原道信朝臣

嘆きつつひとりぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかはしる 053

053

嘆きつつひとりぬる夜の明くるまは
いかに久しきものとかはしる

右大将道綱母

忘れじの行末までは難ければ今日を限りの命ともがな 054

054

忘れじの行末までは難ければ
今日を限りの命ともがな

儀同三司母

滝の音は絶えて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞こえけれ 055

055

滝の音は絶えて久しくなりぬれど
名こそ流れてなほ聞こえけれ

大納言公任

あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびのあふこともがな 056

056

あらざらむこの世のほかの思ひ出に
今ひとたびのあふこともがな

和泉式部

めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に雲隠れにし夜半の月かな 057

057

めぐり逢ひて見しやそれともわかぬ間に
雲隠れにし夜半の月かな

紫式部

有馬山猪名の笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする 058

058

有馬山猪名の笹原風吹けば
いでそよ人を忘れやはする

大弐三位

やすらはで寝なましものを小夜ふけてかたぶくまでの月を見しかな 059

059

やすらはで寝なましものを小夜ふけて
かたぶくまでの月を見しかな

赤染衛門

大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立 060

060

大江山いく野の道の遠ければ
まだふみも見ず天の橋立

小式部内侍

いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな 061

061

いにしへの奈良の都の八重桜
けふ九重ににほひぬるかな

伊勢大輔

夜をこめて鳥の空音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ 062

062

夜をこめて鳥の空音ははかるとも
よに逢坂の関はゆるさじ

清少納言

今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならで言うよしもがな 063

063

今はただ思ひ絶えなむとばかりを
人づてならで言うよしもがな

左京大夫道雅

朝ぼらけ宇治の川霧絶えだえにあらはれわたる瀬々の網代木 064

064

朝ぼらけ宇治の川霧絶えだえに
あらはれわたる瀬々の網代木

権中納言定頼

うらみわび干さぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ 065

065

うらみわび干さぬ袖だにあるものを
恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ

相模

もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし 066

066

もろともにあはれと思へ山桜
花よりほかに知る人もなし

前大僧正行尊

春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそ惜しけれ 067

067

春の夜の夢ばかりなる手枕に
かひなく立たむ名こそ惜しけれ

周防内侍

心にもあらで憂き世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな 068

068

心にもあらで憂き世にながらへば
恋しかるべき夜半の月かな

三条院

あらし吹く三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり 069

069

あらし吹く三室の山のもみぢ葉は
龍田の川の錦なりけり

能因法師

さびしさに宿を立ち出でてながむればいづこも同じ秋の夕暮 070

070

さびしさに宿を立ち出でてながむれば
いづこも同じ秋の夕暮

良暹法師

夕されば門田の稲葉おとづれて蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く 071

071

夕されば門田の稲葉おとづれて
蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く

大納言経信

音に聞く高師の浜のあだ波はかけじや袖の濡れもこそすれ 072

072

音に聞く高師の浜のあだ波は
かけじや袖の濡れもこそすれ

祐子内親王家紀伊

高砂の尾上の桜咲きにけり外山の霞立たずもあらなむ 073

073

高砂の尾上の桜咲きにけり
外山の霞立たずもあらなむ

前中納言匡房

憂かりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを 074

074

憂かりける人を初瀬の山おろしよ
はげしかれとは祈らぬものを

源俊頼朝臣

契りおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋もいぬめり 075

075

契りおきしさせもが露を命にて
あはれ今年の秋もいぬめり

藤原基俊

わたの原漕ぎ出でて見れば久方の雲居にまがふ沖つ白波 076

076

わたの原漕ぎ出でて見れば久方の
雲居にまがふ沖つ白波

法性寺入道前関白太政大臣

瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ 077

077

瀬をはやみ岩にせかるる滝川の
われても末に逢はむとぞ思ふ

崇徳院

淡路島かよふ千鳥の鳴く声に幾夜寝覚めぬ須磨の関守 078

078

淡路島かよふ千鳥の鳴く声に
幾夜寝覚めぬ須磨の関守

源兼昌

秋風にたなびく雲の絶え間よりもれ出づる月の影のさやけさ 079

079

秋風にたなびく雲の絶え間より
もれ出づる月の影のさやけさ

左京大夫顕輔

長からむ心もしらず黒髪のみだれて今朝は物をこそ思へ 080

080

長からむ心もしらず黒髪の
みだれて今朝は物をこそ思へ

待賢門院堀川

ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞ残れる 081

081

ほととぎす鳴きつる方をながむれば
ただ有明の月ぞ残れる

後徳大寺左大臣

思ひわびさても命はあるものを憂きにたへぬは涙なりけり 082

082

思ひわびさても命はあるものを
憂きにたへぬは涙なりけり

道因法師

世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる 083

083

世の中よ道こそなけれ思ひ入る
山の奥にも鹿ぞ鳴くなる

皇太后宮大夫俊成

ながらへばまたこのごろやしのばれむ憂しと見し世ぞ今は恋しき 084

084

ながらへばまたこのごろやしのばれむ
憂しと見し世ぞ今は恋しき

藤原清輔朝臣

夜もすがら物思ふころは明けやらで閨のひまさへつれなかりけり 085

085

夜もすがら物思ふころは明けやらで
閨のひまさへつれなかりけり

俊恵法師

嘆けとて月やは物を思はするかこち顔なる我が涙かな 086

086

嘆けとて月やは物を思はする
かこち顔なる我が涙かな

西行法師

村雨の露もまだひぬ真木の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮 087

087

村雨の露もまだひぬ真木の葉に
霧立ちのぼる秋の夕暮

寂蓮法師

難波江の蘆のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき 088

088

難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ
みをつくしてや恋ひわたるべき

皇嘉門院別当

玉のをよたえなばたえねながらへば忍ぶることの弱りもぞする 089

089

玉のをよたえなばたえねながらへば
忍ぶることの弱りもぞする

式子内親王

見せばやな雄島の海人の袖だにも濡れにぞ濡れし色は変はらず 090

090

見せばやな雄島の海人の袖だにも
濡れにぞ濡れし色は変はらず

殷富門院大輔

きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む 091

091

きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに
衣かたしきひとりかも寝む

後京極摂政前太政大臣

我が袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らね乾く間もなし 092

092

我が袖は潮干に見えぬ沖の石の
人こそ知らね乾く間もなし

二条院讃岐

世の中は常にもがもな渚漕ぐ海人の小舟の綱手かなしも 093

093

世の中は常にもがもな渚漕ぐ
海人の小舟の綱手かなしも

鎌倉右大臣

み吉野の山の秋風小夜ふけてふるさと寒く衣うつなり 094

094

み吉野の山の秋風小夜ふけて
ふるさと寒く衣うつなり

参議雅経

おほけなく憂き世の民におほふかな我が立つ杣に墨染の袖 095

095

おほけなく憂き世の民におほふかな
我が立つ杣に墨染の袖

前大僧正慈円

花さそふあらしの庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり 096

096

花さそふあらしの庭の雪ならで
ふりゆくものは我が身なりけり

入道前太政大臣

来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ 097

097

来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに
焼くや藻塩の身もこがれつつ

権中納言定家

風そよぐならの小川の夕暮はみそぎぞ夏のしるしなりける 098

098

風そよぐならの小川の夕暮は
みそぎぞ夏のしるしなりける

従二位家隆

人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は 099

099

人もをし人もうらめしあぢきなく
世を思ふゆゑに物思ふ身は

後鳥羽院

ももしきや古き軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり 100

100

ももしきや古き軒端のしのぶにも
なほあまりある昔なりけり

順徳院