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2006-01-11
1999.11.21
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土田六段 |
[名人戦挑戦者決定戦]
挑戦者の座を呼び込んだ土田の安定した強い攻め
<1回戦>出札ペースが早いアップテンポの序盤戦、土田は9枚目のよをで 攻め込んでのダブお手をして、攻めが鈍りはじめ、終始攻守に堅実な取り
を続ける中原は出札にも恵まれ、序盤のリードを最後まで維持して先勝。
<2回戦>厳しい攻めが身上の土田にとって2回戦の出札は上々。攻めるべ き札がいいリズムで読まれ、中盤まで3~4枚差をつけて有利に試合を進
める。最後は9−12から土田が攻守に9連取して中原を圧倒した。
<3回戦>前の試合での土田の強烈な攻めに対抗すべく、中原は土田の狙い 札を左右に散らして攻めにくい布陣をとるが、好調な土田はまんべんなく
手を出して中原陣を脅かし、押された中原は拾って取るべき札も土田にさ らわれ、最後まで自分の流れにもっていけなかった。
[記者の眼]攻めを身上とする両者ががっぷりと組んだ熱戦であった。まさ かりのように重く力強い攻めの土田とナイフのように鋭利な中原の攻めの
対決は実に見ごたえがあった。中原は試合後「力は土田さんの方が明らか に上」と答えていたとおり、攻めの安定感で上回る土田に軍配があがった。 中原 は土田の攻めを和らげる術に力を割いた分、本来の自分のかるたを1
00%発揮できなかったことが2,3回戦を接戦に持ち込めなかった原因 ではなかろうか。(早川)
土田雅選手の話「まだ勝った実感はありません。1回戦の敗戦で開き直った という部分はある。名人戦では恥ずかしい試合にならないよう頑張りたい。」
片瀬六段 |
[クイン戦挑戦者決定戦]
勝負に徹した片瀬、逆境乗り越え復活の吉峰を振り切る。
<1回戦>1か月近く前の練習中に右手人差指を骨折してしまった吉峰だが、 取り手を左手に替えて練習を積んで驚異の復活を果たし、今日の挑戦者決
定戦に臨んだ。片瀬は吉峰の予想以上の早い取りに戸惑ったか全く精彩を 欠き、25おもの準ダブお手つきを機に吉峰に引き離される。吉峰は特に 対角となる片瀬陣左サイドへの攻めが、にわか仕立てのサウスポーとは思
えぬキレを見せ、最後まで片瀬にかるたを取らせず11枚差で先勝。
<2回戦>後がない片瀬は気分一新、序盤から吉峰陣に積極的に手を出す。 すると吉峰は27あひの時に払いミスによるお手つきが準ダブルとなり22-
15と大きなビハインドを背負う。攻守に調子を取り戻した片瀬に対し吉 峰は中盤以降お手つきを連発し、いいところなく大差で敗退。
<3回戦>前の試合で調子を取り戻した片瀬は序盤から押し気味に試合を進 める。片瀬は31おほえの時敵陣右中段から自陣左中段に鮮やかな戻りを
決め吉峰はここで思わず自陣のおほけをさわってしまい差は16-22と広が る。片瀬はさらに攻守に冴えを見せて7-16、6-13、5-9と優位に試合を 進め1-8で王手をかける。中盤以降自陣左の守りが決まりはじめていた
吉峰はここにきて左右に4枚守って1−4と追いすがる。しかし冷静に勝 負札を見きわめていた片瀬になげけを攻められ、健闘空しく涙をのんだ。
[記者の眼]勝った片瀬も負けた吉峰も大きく称えられてよい挑戦者決定戦 だ。技やスピードは例年の決定戦に比べて見劣りするが、これほど当日の
取りよりも、今日ここに至るまでの両者の葛藤と努力が勝負に大きな影を 落とした決定戦はこれまでなかったと思う。まず、右手人差指の骨折とい う逆境を乗り越え、練習では松川永世名人を破るレベルまで仕上げてきた 吉峰のあふれる才能と努力、精神力に大きな拍手を贈りたい。今回の吉峰 に与えられた試練は21世紀の大クイン誕生のプレリュードのような気が してならない。そして復調の情報はあるもののテーピングが痛々しい相手
と戦うことを余儀なくされ、戸惑いのなかで緒戦を落としながらも勝負師 になりきって挑戦者の座を手にした片瀬もまた立派である。この決定戦で 体得した勝負根性がクイン戦本戦で渡辺クインに立ち向かう大きな力とな
ることを祈りたい。(早川)
片瀬亮子選手の話「ほんとうにうれしい。吉峰さんは予想以上に強かった。 勝った喜びと同時にあらためてかるたの難しさを感じた。本戦で力が発揮
できるようがんばりたい」
吉峰翼選手の話「また、来年頑張ります」
第46期名人戦 <平成12年1月8日 近江神宮勧学館>
西郷直樹名人(早稲田大学かるた会)VS土田 雅五段(福井渚会)
第44期クイン戦<平成12年1月8日 近江神宮勧学館>
渡辺令恵クイン(横浜隼会) VS片瀬亮子六段(九州かるた協会)
第17回全国小倉百首かるた競技宮崎大会は11月14日(日)、ポカポカ 陽気となった宮崎市の国民宿舎青島でA~Dの4階級に113名の選手が参加
して行なわれた。25名が参加したA級では昨年もこの宮崎を制した渡辺令恵 クイン(横浜隼会)が決勝で九州の雄、鶴田究選手(鹿児島県かるた協会)を 接戦の末しりぞけ、大会2連覇を果たした。
クイン戦挑戦者決定戦西日本代表の片瀬亮子選手(九州かるた協会)は準々決 勝で渡辺クインと対戦し6枚差で敗れた。またB級では地元宮崎県協所属の門 田尚子選手が優勝した。
優勝した渡辺令恵クインの話「宮崎大会2連覇できて嬉しい。決勝では鶴田さ んと終盤までシーソーゲームが続きましたがよい試合ができて良かった。是非
来年も来たい。とっても暑かったけれど。」
A級(25名) | B級(21名) | C級 | D級 | |
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優勝 | 渡辺令恵 (横浜隼会) |
門田尚子 (宮崎県かるた協会) |
酒井協子 (むらさめ会) |
渡辺花絵 (宮崎大宮高校) 金丸知加 (宮崎大宮高校) |
準優勝 | 鶴田 究 (鹿児島県かるた協会) |
吉野真輝 (九州かるた協会) |
段原貴洋 (鹿児島県かるた協会) |
渡辺真衣 (宮崎大宮高校) 渋谷歩 (熊本県かるた協会) |
3位 | 小西淑子 (奈良県かるた協会) 池田実穂子 (九州かるた協会) |
西川まきみ (鹿児島県かるた協会) 田村秀彦 (宮崎県かるた協会) |
新屋亜美 (鹿児島県かるた協会) 村上隆太 (熊本県かるた協会) |
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4位 | 片瀬亮子 (九州かるた協会) 後藤いずみ (九州かるた協会) 吉田 舞 (九州かるた協会) 鶴谷憲幸 (亜細亜大学かるた会) |
第7回全国かるた東京明靜会大会は11月3日(祝)、立川市 福祉会館な ど2会場でA級からシルバー級まで7階級に229選手が参加して行なわれた。
57名が出場したA級決勝はベテラン田畑謙選手(九州かるた協会)が早稲 田の新鋭三井憲昭選手を11枚の大差で下し、2年10か月ぶりのA級優勝を 果たした。田畑選手は準々決勝で亜細亜大OBの実力派中川選手を4枚差で退
けた後、準決勝では東大の現役エース坪倉岳志選手を17枚の大差で破るなど ベテランの力を見せつけた。 また3日前の女流選手権を制した渡辺令恵クイ ンは3回戦で坪倉に敗退(4枚差)。また西郷名人と名人位・クイン位の挑戦
者決定戦を控えた中原、吉峰の両東日本代表は欠場した。
B級ではここまで入賞経験のなかった小暮直選手(早稲田大学かるた会)が 優勝し、準優勝してA級昇級基準を満たした福田選手とともにA級に昇格する。
A級優勝した田畑謙選手の話 「久々の優勝でうれしいです。年をとってもま だできるんだなぁ、と思いました。今大会は(3回戦で)春野くん(東大)と
やったときが一番苦しくて、「はるの」でダブをしてしまいました。1−3の 絶体絶命から3枚固めてすべて守って逆転勝ちすることができ、そこから流れ がきました」
A級(57名) | B級(45名) | C級(26名) | D級(50名) | |
---|---|---|---|---|
優勝 | 田畑 謙 (九州かるた協会) |
小暮 直 (早大) |
高橋 遼 (群馬県かるた協会) |
市野玲子 (杉並かるた会) |
準優勝 | 三井憲昭 (早大) |
福田 亮 (横浜隼会) |
渡辺 智 (藤沢西高校) |
小田切宏子 (横浜隼会) |
3位 | 坪倉岳志 (東大) 片山貴裕 (東大) |
梅沢圭祐 (東北大) 吉田康隆 (東京東会) |
松田昭文 (早大) 川原博子 (横浜隼会) |
小島雅宏 (筑波大) 安江悦子 (東大) |
4位 | 中川琢馨 (亜大) 東村亜子 (亜大) 高洲慶一 (早大) 小林 洋 (東海大) |
梅田知子 (春日部女子高校) 大川麻理子 (春日部女子高校) 長岡啓祐 (群馬県かるた協会) 鶴谷俊幸 (東京吉野会) |
吉川悠一 (藤沢西高校) 三瀬聡美 (筑波大) 左貝雅人 (東大) 大倉和広 (東海大) |
久保田潔 (暁星かるた会) 佐々木由恵 (東京明靜会) 雨谷由美 (海老名しらさぎ会) 野沢英信 (筑波大学) |
E級(26名) | F級(22名) | シルバー級(3名) | ||
優勝 | 中下夏絵 (学芸大附属) |
林 紗綾 (さがみ野会) |
渡辺靖子 (をだまき会) |
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準優勝 | 安元文紀 (東京明靜会) |
安元ゆら (東京明靜会) |
小池絹子 (東京明靜会) |
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3位 | 大久保みずき (藤沢西高校) 矢加部里江子 (ゆらのと会) |
加藤茂孝 (立川市) 今村弘子 (をだまき会) |
島田岩子 (天津乙女の会) |
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4位 | 日向野未来 (宇都宮かるた協会) 佐怒賀由美子 (春日部女子) 田中聖子 (学芸大附属) 川合里佳 (静岡県かるた協会) |
田島俊介 (群馬県かるた協会) 関かすみ (東京明靜会) 川越理恵子 (東京明靜会) |