一日一首
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歌人
元良親王
歌
わびぬれば今はた同じ難波なる身をつくしても逢はむとぞ思ふ
現代語訳
こんなにも思い苦しんでいるので、今となっては同じことです。あの難波の澪標ではありませんが、どんなに身を尽くしても逢おうと思います。
出典
後撰集 恋五 960
決まり字
わび
小倉百人一首競技かるた第46回全国高等学校選手権大会団体戦では、私立関東第一高等学校(東京都)が見事に2連覇を達成。全国398校の頂点に立った。
令和6年7月20日(土)、各地の予戦を勝ち抜いた各都道府県の代表58校が、競技かるたの聖地、滋賀県近江神宮に集結した。
そして、今年もまた、熱い熱い戦いが繰り広げられた第46回全国高等学校選手権大会を振り返りたい。
各ブロック予選トーナメントに勝ち進み、決勝トーナメント出場校8校は、以下のとおり。
各強豪校が順当に決勝トーナメント入りしているのに対し、初出場で決勝トーナメントに入った私立市川高等学校(千葉県)、また、39年ぶり2回目の出場で初の決勝トーナメント入りを果たした県立熊本高等学校(熊本県)に注目が集まる。
(予選通過8校)
Aブロック 県立中津南高等学校(大分県)
Bブロック 県立熊本高等学校(熊本県)
Cブロック 県立静岡東高等学校(静岡県)
Dブロック 私立関東第一高等学校(東京都)
Eブロック 都立駒場高等学校(東京都)
Fブロック 私立浦和明の星女子高等学校(埼玉県)
Gブロック 私立市川高等学校(千葉県)
Hブロック 県立平塚江南高等学校(神奈川県)
初出場で決勝トーナメント入りを果たした私立市川高等学校は、準々決勝で、九州の強豪校県立中津南高等学校と対戦。ほぼ互角の勝負を繰り広げるも1勝4敗で敗れ、準々決勝で姿を消した。39年ぶり2回目の出場で決勝トーナメント入りした県立熊本高等学校は、準々決勝では、強豪校の都立駒場高等学校を3-2で破り、準決勝へ進出。県立熊本高等学校は、予選3回戦でも優勝候補の一角とされていた私立大谷高等学校(京都府)を3-2で下しており、本大会の台風の目となる。
準々決勝で、最も激戦となったのは、私立浦和明の星女子高等学校と県立静岡東高等学校の対戦。まず私立浦和明の星女子高等学校の水谷麻佑子(三将)が、10枚差で、後藤恵里奈(三将)に勝利するも、すかさず、県立静岡東高等学校の河原歩美(主将)が、高橋香月(主将)を7枚差で押し切り、1勝1敗。残りの3組は、それぞれ大激戦となり、勝負の行方は全くわからない。私立浦和明の星女子高等学校、杉浦舞(副将)が3枚差で牛丸桃華(五将)を破り、先に王手をかける。一方、県立静岡東高等学校も王手をかけられた直後に、唐木田菜摘(副将)が2枚差で、吉田悠莉(四将)を破り、逆王手。2勝2敗となり、チームの3勝目の行方は、ついに運命戦に委ねられた。そして、その運命戦で、勝利の女神は私立浦和明の星女子高等学校、結城美桜(八将)に微笑み、私立浦和明の星女子高等学校が準決勝に駒を進めた。
準々決勝を薄氷の思いで通過した私立浦和明の星女子高等学校は、準決勝では、県立熊本高等学校との対戦となる。この対戦でも県立熊本高等学校は、中盤までは粘り強く取り接戦となったが、後半、私立浦和明の星女子高等学校が一気に抜け出し、4勝1敗で勝利。地力に勝る私立浦和明の星女子高等学校が、決勝戦へ駒を進めた。県立熊本高等学校は、その後の3位決定戦でも敗れ、4位となったものの、ここ近江神宮では、勢いに乗るとその実力は1日で劇的に変わるものだと改めて感じさせる旋風であった。
さて、連続優勝を狙う私立関東第一高等学校は、準々決勝では県立平塚江南高等学校を5-0で下し、準決勝進出。準決勝の対戦相手は、過去優勝1回、準優勝2回を誇る県立中津南高等学校。私立関東第一高等学校は、県立中津南高等学校に先に1勝を許すも、矢島聖蘭(主将)が10枚差で嶋田桃子(四将)を破り、直ぐに1勝1敗と追い着く。さらに勢いに乗る私立関東第一高等学校は、小西美彩子(副将)、森田翼(六将)が、6枚差で続き、勝負あった。3勝2敗で決勝戦に進んだ。県立中津南高等学校は、その後の3位決定戦で県立熊本高等学校に勝利し、3位となった。
そして決勝戦。私立関東第一高等学校は、矢島、小西の2トップを軸に、連続優勝を勝ち取るべく、布陣を敷く。一方、私立浦和明の星女子高等学校も40回大会での優勝校。本大会での2回目の優勝を狙う。
いよいよその決勝戦が始まった。決勝戦では、矢島、小西がその実力を遺憾なく発揮。それぞれ、15枚差、16枚差で危なげなく勝利し、三将の伊津野も10枚差でそれに続き、早々に3勝目を上げる。私立浦和明の星女子高等学校は、吉田悠莉(四将)が一矢を報いるのが精一杯。
私立関東第一高等学校が4勝1敗で見事に連覇を達成した。
決勝トーナメントを見る限り、私立関東第一高等学校の強さが光った優勝であった。しかしながら、予選1回戦、県立宇都宮高等学校(栃木県)戦では、2勝2敗となり、最後の対戦が運命戦という大激戦を制したというものであった。県立宇都宮高等学校は、男子校で強豪校の一角。連覇を狙う私立関東第一高等学校にとっては、大きなプレッシャーのかかる対戦であったと思われる。その県立宇都宮高等学校との予戦1回戦を振り返りたい。
まず先手を取ったのが、県立宇都宮高等学校。佐藤正門(五将)が、10枚差で1勝目を上げる。次は、私立関東第一高等学校、伊津野弘(三将)が8枚差で勝ち、1勝1敗に戻す。
初戦の緊張からか矢島のエンジンがかからない。相手は、児玉義幸(四将)で2段の選手。実力的には1枚も2枚も矢島が上回る。しかしながら、矢島の手が伸びない。児玉は、必死にくらいつき、決定的な差を与えず、対戦は、終盤までもつれ込む。
私立関東第一高等学校の2トップのもう一人、小西は、主将の蓮實仁貴と激闘を繰り広げている。
そのような中、県立宇都宮高等学校、木曽叶人(副将)が、佐々木煌梨(五将)を4枚差で下し、先に県立宇都宮高等学校が王手をかけた。後がなくなった私立関東第一高等学校だが、ここまでなかなか調子が出なかった矢島(主将)も最後は地力を発揮し、3枚差で児玉を押し切った。そして勝負の行方は小西対蓮實の決戦に委ねられる。激闘は運命戦まで続き、最後小西が自陣の1枚を死守。辛くも私立関東第一高等学校が初戦を突破した。私立関東第一高等学校は、初戦の苦戦でチーム全体が引き締まったのか、その後の対戦では、ほぼ危なげなく勝ち切り連覇を果たすこととなった。
本大会全体を振り返って、まずは、私立関東第一高等学校の連覇を称えたい。
しかしながら、初戦に苦戦したようにこの全国高等学校選手権大会では、何が起きるのかわからない大会である。私立関東第一高等学校はこの2連覇に慢心することなく、これから更に連覇を伸ばしていくよう精進されたい。また今回、私立関東第一高等学校に及ばなかった高校も、来年は打倒私立関東第一高等学校を目標に一層のレベルアップを図ってもらいたい。