一日一首
ランダムに変わる取り札を見て上の句を当てる練習ができます。毎日の腕試しにご活用ください。
歌人
鎌倉右大臣
歌
世の中は常にもがもな渚漕ぐ海人の小舟の綱手かなしも
現代語訳
世の中は常に変わらぬものであってほしいことだ。渚を漕ぐ海人の、小舟の綱手ひく姿がしみじみとするよ。
出典
新勅撰集 羇旅 525
決まり字
よのなかは
★3回戦
14時45分 選手集合 山添が勝てば2度目のクイーン防衛となる3回戦。解説室の楠木永世クイーンは2回戦最後の運命戦で自陣を抜かれて負けた三笘の「悔しさやショックの程度がこの試合を左右する」と話す。
15時04分 読みは西田好幸専任読手。試合開始。
【名人戦】
折り返しの50枚時点で10-15と前半は川瀬名人がリードを保ちながら進む。後半、粂原挑戦者は8-8から3連取で抜け出し、川瀬のお手つきにも乗じて2-8と突き放す。勝負は85枚目で決する。2-6と粂原の4枚リードから川瀬が誤って自陣をさわるお手つき。粂原は慌てず自陣の出札の「いまこ」に戻って勝利。粂原が名人位奪回に王手をかける。
16時11分 名人戦3回戦終了
●川瀬将義名人 7枚 〇粂原圭太郎八段 (対戦成績 川瀬1勝 粂原2勝)
【クイーン戦】
幕開けは山添クイーンの鋭い取りが三笘挑戦者をわずかに上回り、三笘のお手つきもからんで26枚を読んで山添が11-25と14枚の大量リード。しかし三笘は劣勢ながらも「泥臭い取り」で一枚また一枚と札を減らし、62枚を終えて8-10と2枚差まで追い上げる。迫られた山添はここからスパート。三笘のお手つきもあって4-10、2-9とリードを広げる。しかしクイーン位決定戦前に地元マスコミの取材に「最後の1枚まであきらめずに取る」と答えていた三笘はここから粘りを見せ、87枚を読んで2-4と2枚差に迫る。再度詰め寄られた山添だが、ここから89「かさ」、90「みかき」を三笘陣右に攻めて勝利。3期目のクイーンの座を手にした。
16時15分 クイーン戦3回戦終了
〇山添百合クイーン 4枚 ●三笘成六段
山添八段が第67期クイーン位に決定(対戦成績 山添3勝 三笘0勝)
試合後、記者団の取材に山添百合クイーン「良い出来ではなかったが、最後までなんとか強い気持ちを持ち続けて取れてよかった。こんなにしんどい3試合は初めて、というくらいしんどかった。」
★4回戦
16時44分 暗記時間。解説室の西郷永世名人は、粂原挑戦者を見て「もうひとつ落としていいということなど考えず『決めに行こう』といういい表情をしている。この試合に臨む状態ははるかに粂原がいい状態」。一方の川瀬名人には「防衛ということに非常なプレッシャーを感じている。それを打ち破らないと粂原には勝てない」と語る。果たして粂原は名人位奪回なるか。
16時54分 稲葉修至専任読手が序歌を読み上げ4回戦スタート。
序盤は王手をかけた粂原がリードを保ちながら進む。一方負ければ名人位を失う川瀬も離されないようについていき、50枚を終えて13-16と粂原が3枚リード。川瀬は折り返し直後の粂原のお手つきを契機に逆転。60枚時点で9-14と5枚のリードを奪う。84枚時点で2-8とした川瀬に対し、粂原は右上段に5枚を集め追い上げを図るが残る札は全て1字決まり。最後は川瀬が右下段の93枚目の「たち」を守り、4枚差の勝利。第69期名人位決定戦の行方は5回戦に持ち込まれる。
18時04分 名人戦4回戦終了
〇川瀬将義名人 4枚 ●粂原圭太郎八段(対戦成績 川瀬2勝 粂原2勝)
★5回戦
【名人戦】
勝った方が名人位を手にする一戦は、序盤から両者が攻守とも一歩も譲らぬ取り合い。それでも解説室の楠木早紀永世クイーンが「速さに加えてやわらかさ」「この舞台を楽しもうという姿勢が感じられる」と評する粂原が、わずかのリードを保ちながら進む。粂原はダブルとなるお手つきを喫するも名人に取り負けることなく、11-12と1枚リードして折り返す。後半も緊迫した取り合いは続き、終盤はシーソーゲームに。粂原は6-9から73「す」の時に「さ」を攻めるお手つき。川瀬はここぞと連取して6-7と逆転。このあとはどちらかが1枚のリードを奪えば、すぐさま相手がセームに追いつく展開で最終盤になだれこむ。2枚セームの93枚目。粂原が右下段に2枚並べた「みか・みち」のうち、読まれた「みち」を守って名人位奪回に王手。しかし、次の出札「うか」は川瀬の右守りが粂原の攻めを上回り名人位の行方は運命戦に。はたして広本専任読手が読み上げたのは川瀬陣の97「これ」。川瀬がきっちり守って勝利し名人位初防衛を達成した。
名人位を守った川瀬名人は、YouTube配信のインタビューに「正直3回戦までは良くなかった。最後まで自分を信じて気持ちを切らさなかったのが勝因だと思う」と戦いを振り返った。
19時30分 名人戦5回戦終了
〇川瀬将義名人 1枚 ●粂原圭太郎八段
川瀬六段が第69期名人位に決定(対戦成績 川瀬3勝 粂原2勝)
19時55分 閉会式で西郷直樹審判長が講評 粂原準名人に「勇気がいるスタイルの変更に果敢にチャレンジし新しい強さを身に着け幅が広がった。試合は取り勝っていた」、三笘準クイーンには「山添クイーンをここまで追い詰めた。紙一重だったと思う。これを自信にこれからも頑張って欲しい」と2人の敗者を称えた。そして「いずれの戦いも素晴らしく期待通りだった。」と10時間に及ぶ日本一決定戦を締めくくった。
小倉百人一首競技かるた第69期名人位決定戦、第67期クイーン位決定戦の模様はYouTubeにアーカイブされています。ぜひ熱戦をお楽しみください。